こて絵(その2)

今回は小渕沢地区の「こて絵」に続く第2弾、津金地区の「こて絵」

ここ津金は、「農の里」とは海岸寺峠を挟んだお隣同士。
その昔、武田や家康に仕え、国境警備の任にあたった野武士軍団の里といわれる。
そのせいか、この地区にはどっしりとした構えの家が多い。


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数年前、この地区を散歩した時に発見したのがこの「大黒天」。
それ以来すっかり「こて絵」の虜になった。


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その数軒下流に、「油屋商店」がある。
昔は油屋さんだったようだが、近年は酒屋さんをやっていた。
その店先に「油屋商店」と書かれた看板らしきもの・・・。


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上に乗っている「富士山と松原」を含め、全体が色漆喰づくり。
「こて絵」の形態はさまざまである。
これでもか、という職人魂に心ふるえる。


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最近、油屋さんは人が替わり、地域興しにつながる品々を扱う店→「油屋 八ヶ岳」となった。
油を売りに?来た近所のお母さん、話してみたら「農の里」のお母さんと同級生とのこと。「あんれまあ・・・」


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油屋さんの土蔵にもこのとおり芸術性の高い「波に千鳥」。
津金の「こて絵」は、この地区に住まわれた故三井貴男さん(明治45年生まれ)の30歳頃(約70年前)の作品。
お会いできないまま、最近亡くなられた。


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油屋さんからさらに数軒下流に長屋門があり、それを最近取り壊したとのこと。
これらはその長屋門についていた「こて絵」たち。
丁寧に切り出され、家の裏に保管されていた。


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作品名は「波に鶴」。
三井さんが代表作を問われた際、この作品だと答えている。(出展「うらやましい つがね」NPO文化資源活用協会)


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三井さんの本拠地だけに、この地区は「こて絵」のメッカ。
「こて絵をめぐるツアー」がよく催される。
この土蔵も、母屋も手入れが行き届いているが、無住のようだ・・・


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「松に鷹」。
気高さと優美さがたまらない。

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これも「松に鷹」。
でも、蔦らしきもので覆い尽くされそうなのが心配である。


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色合いが鷹らしくないが、こちらも「松に鷹」。
何やら釘の跡があるのが惜しいなあ。


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その土蔵の佇まいはこのとおり。
背景の八ヶ岳は、頭が雲に隠れてしまった。
そこのお爺さん「塗ったもんでないんで、このとおり色が剥げないよ。大したもんだ。」


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山里にこのような素晴らしい職人がいたことに感動です。
その手技を思う存分発揮させる施主の存在も欠かせない。
みんな日々の暮らしに追われていたはずなのに。

なお、三井さんの代表作「波に鶴」は同地区の「おいしい学校」(→北杜市HP)で保存、展示される予定とのこと。

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No title

こて絵はなんとも味わい深いものがありますねぇ。
「波に鶴」は北斎のようです。
これからも保存していくことは、もはや難しいことでしょうね。土蔵を作る家はもう少ないでしょうし。

芸術品

こてだけでここまで造詣深く制作できるとは、もはや一線を超えた超芸術です。特に波に鶴は、立体感の演出として枠を飛び出させる技量など、圧巻ですね。
山間の里だけに埋もれさせておくのは、何とももったいない限りです。
ぜひ「こて絵マップ」の作成をお願いします。

Re: No title

メイの家さん、小さな空間に職人の技を凝縮するので見応えがあるのだと思います。
北斎にありますか。
思いつきませんでした。

「こて絵」の続編を計画していますが、その中で保存の難しさにまた触れます。
私としては、東急に昔走っていた「青がえる」と並んで、生きたまま残すべき文化財と考えています。

Re: 芸術品

となりのじろろさん、「波に鶴」に限らず製作日数はかなりのようです。
土蔵を塗る作業自体も大変のようですが・・・

そうきましたか。
こて絵マップ、そのアイデアいただきます。
そのためには、悉皆調査が必要となりますので、今度お手伝いをお願いします。

こて絵

すばらしいこて絵ですね・・・

初めまして メイの家さんの足跡から訪問しましました
こて絵と言えば我が喜多方市の一地区の蔵にもこて絵があります
余り有名じゃ有りませんが 

Re: こて絵

かねちょさん、コメントありがとうございます。
よろしければ、アドレスを教えてください。

喜多方には10年以上前に行ったことがあります。
ラーメンもさることながら、土蔵を写しに行ったのでした。
でも、その頃はこて絵というものを知らず、見たのかどうか記憶にありませんので、その時の写真を今度見直してみようと思います。

プロフィール

Shige Haru

Author:Shige Haru
●小学校3年生のときの理科の宿題が「季節のたより」
●何の花が咲いた、何の鳥が鳴いていた、初カツオを、あるいはイチゴを食べた・・・と日記風に書き記した。今と違って食材にも季節が感じられた。
●そんな季節を感じられる便りを、八ヶ岳南麓の里と横浜の自宅から、お伝えしていきます(故あって、今しばらくは自宅からが主となっています)。

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