緊急石油輸送

僕の名前は、タンク車のター坊(タキ1000系)。
仲間は全国に1000人(両)もいて、毎日、製油所から地方の油槽所へ石油を運んでいる。

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僕の家は、根岸駅に隣り合うJXさんの構内。
お仕事に出るときと帰ってきたときは、根岸線の電車の横に並ぶ。

6年半前、東北で大きな地震があったよね。
その1週間後にあった僕らの大冒険のお話をしよう。


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地震で仙台の製油所が壊れて、福島や宮城の皆さんは石油に困った。
そこで、僕ら根岸の仲間が石油を届けにいくことになったのだ。
でも、途中の鉄道が壊れていたので新潟や青森を回って届けることになった。


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3月18日、いつもより石油を少し減らしておなかに詰め込んだ。
おなか一杯に詰め込むと、途中の線路が悲鳴をあげるからだ。

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僕たちを引っ張っるのは、いつもの桃太郎おじさん(EF210系)やブルーサンダーおじさん(EH200系)。
それだけでは足りないので、他からも機関車さんたちが助けに来た


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いよいよ出発。盛岡まで1030km、こんな長い旅をしたことがない。
運転手さんも初めて走る線路だし、地震の影響も心配だ。
根岸線に入るポイントを切り替えてくれるおじさんも緊張気味。

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僕たちは20人(両)がつながって盛岡を目指す。
石川町駅を轟音とともに通り過ぎる。


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可愛い女の子も心配そうに見送ってくれる。
でも、今日はわき目をふらずに走らねば・・・

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桜木町駅の手前でいつものように大岡川にかかる鉄橋をわたる。
桜木町の先で地下の貨物線に入る。
上越線、羽越線、奥羽本線、青い森鉄道などを経て盛岡に着いたのは翌日。


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磐越西線を使う郡山ルートは3月25日から始まった。
こちらは非電化区間があるので新潟からはディーゼル機関車のデーデおじさん(DD51系)たちが引っ張ってくれた。
山坂道なので僕たちは半分に分けられ、しかもデーデおじさん二人がかりで引いてもらう。


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それでも、雪の峠で車輪がスリップして走れなくなってしまった。
そこで、会津若松からイトおじさん(DE10系)がやってきて、後ろを押してくれた。
(写真:タキを押すDE10。雪に見えたらうれしい)

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郡山に無事到着。
福島の皆さんが出迎えに来てくれていた。
僕らはやり遂げたのだ。みんなの力を合わせて。


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この出来事は新聞にも載った。
斜陽といわれる鉄道貨物がその力量・価値を発揮させた。

すとうあさえ(文)・鈴木まもる(絵)「はしれディーゼルきかんしゃデーデ」をコピーさせていただいた。
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雪の峠

> 磐越西線を使う郡山ルートは3月25日から始まった。
この話は私の耳に直ぐに入り知っていました

そして感動して 
誰かがきっと記録していると思い探したものでした

下のURL覗いて見てください

https://youtu.be/rNgs9t3QIcg

https://youtu.be/d_brTmS_lpY

Re: 雪の峠

yukiさん、この出来事はJR貨物全社を挙げての取り組みでした。
普段は走らせていない線路に列車を走らせることの大変さを知りました。
この絵本にはその一端が書かれています。
子供達にも見て欲しい絵本です。

> 下のURL覗いて見てください
> https://youtu.be/rNgs9t3QIcg
> https://youtu.be/d_brTmS_lpY

それぞれ、30万回、18万回もの視聴がなされているのは嬉しいですね。
DE10機関車による救援は、郡山への第一便での出来事。
その決定的場面を映すとは、撮りテツさんの情報収集力と根性にも感心。

No title

当時、世の中全体が不安に満ちていて、その中を期待されて根岸を出発する貨物列車のテレビニュースを見ました。
しかし、立ち往生していた、というのは今初めて知りました。
それも猪苗代の手前、そして三月末というのに大雪。
そしてそして、それを動画に撮っていた人がいたとは。
驚きの連続です。

あの頃わが職場には電気自動車アイミーブが一台ありました。
それまでは、不評で乗り手が少なかったのですが、地震以降は引く手あまたになりました。(笑)

Re: No title

メイの家さん、テレビニュースでも取り上げていましたか。
それまでは根岸線を走る姿を、少しうっとうしく眺めていましたが、今は頼もしさを感じています。
昔は磐越西線に貨物列車も走っていたそうですが、最近は走っていなかったそうです。
ディーゼル機関車は門司や北海道から呼び集めたり、いくつもの困難を短期間にクリアーして緊急輸送を成し遂げました。

あの少し前、電気自動車の普及の仕事をしていました。
原発の電気ならCO2の排出が少ないというので。
でも、原発にばかり頼ってはいけないことを知りました。

臨港貨物線

鶴見に車で向かう際、みなとみらい地区から海辺を通って市場の横を抜け、ミルクプラントをかすって第一京浜に出るのですが、そのときに必ず渡るのが高島臨港貨物線の踏切です。結構な頻度で貨物車両が通るのですが、9割はタンク車のように感じています。
テツの自分としては、この線路がキリンの工場の横から東海線貨物線に合流し、鶴見川を渡ってから鶴見操車場~武蔵野貨物線か、八丁畷の手前で京浜港に向かうかに分かれるところまでを追っかけたこともあります。

40トン級の車両です。20両なら8千トン、走れる線路も限られるのに、東北の地盤も貧弱な線区でよく活躍できましたね。
JR貨物のみなさん、お疲れさまでした。

Re: 臨港貨物線

となりのじろろさん、この貨物線が地下に潜ってからどこを通っていくのか、知られていませんね。
その追っかけも面白そうです。

当初は東北の線路でも走れるもっと軽いタンク車を手配したそうですが数十両しかなかったそうです。
鉄道の世界も輸送効率第一となって、40トン級のタキ1000ばかりなのです。
プロフィール

Shige Haru

Author:Shige Haru
●小学校3年生のときの理科の宿題が「季節のたより」
●何の花が咲いた、何の鳥が鳴いていた、初カツオを、あるいはイチゴを食べた・・・と日記風に書き記した。今と違って食材にも季節が感じられた。
●そんな季節を感じられる便りを、八ヶ岳南麓の里と横浜の自宅から、お伝えしていきます(故あって、今しばらくは自宅からが主となっています)。

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