小千谷縮の帽子

先週、まだ暑い日が続くと思い、夏用の帽子(ハンチング)を買った。
とっても軽く、手触りが涼やかなのが気に入った。

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自宅に帰ってからタグを見たら小千谷縮とある。
「北越雪譜」の中で「雪中に糸をなし、雪中に織り・・・」と紹介され、高級和服の生地として有名な織物だ。

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帽子を買った数日前、川端康成の「雪国」を読んでいた。
昭和39年発行の角川文庫で、定価八拾圓とある。
越後湯沢を舞台に、主人公の島村と芸者・駒子との情交?を抒情的に描いた小説。

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その最終章に「雪のなかで糸をつくり、雪のなかで織り、雪の水にあらひ、雪の上に晒す。績み始めてから織り終わるまで、すべては雪のなかであった。雪ありて縮あり。雪は縮の親というべしと、昔の人も本に書いている。」の一文がある。
北越雪譜を引用しながら、小千谷縮を紹介しているのだ。


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島村は汽車に乗って縮の産地(当然、小千谷)を訪ねている。
また、自らも縮を持っていて、手入れの一つとして雪晒しに出すとも書かれている。
私も、この縮の帽子を大切にしよう。電車の中に忘れないようにも。(→過去のブログ


蛇足です。
昭和42年の夏、小説を読んでいた興味から、上信越バイクツーリングの途中、「雪国」の記念碑に立ち寄っている。
小説の冒頭の一節が、康成の自筆で刻まれている。(写真:昭和42年8月)
当時、記念碑の周りは殺風景だったが、現在はかなり変わっているようだ。

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魚沼

どこかで聞いたことがあると思って調べてみましたところ、昔、自転車のクラブで立ち寄った「塩沢つむぎ記念館」で見かけたのでした。
ツムギとチジミの違いすらわからない薄っぺらな知識ですが、ずらっと並んだ着物用の生地が印象的でした。

川端康成は、文盲の僕でさえ読んだほどの偉人です。
しかし、帽子の素材がきっかけで、その小説に行きつくのがさすがだと思いました。

小千谷

私にとっての小千谷
引っ越しと言うか引き上げと言うか
そのため行った場所が小千谷

女房が単身赴任で小千谷に行って中越地震にあって
数日後に引っ越しのために小千谷に行ったけど
道路が壊れてホテル旅館は全て満室で開いている店は
セブンだけ他の店は閉まったまま
脱線した新幹線も
高速道は路肩が崩れ1車線走行 勿論スピードは出せない
何故なら段差ができたところは応急修理だから 一般道もしかり

そんな事 思い出しました

Re: 魚沼

となりのじろろさん、調べてみました。
紬は絹、縮は麻が原料とのこと。
ということは、紬の方が高級なのかな?
でも、麻は糸を績む(作る)ことからして大変手間のかかるものなので、麻の方が高級かな?

雪国を50年ぶりに読み返していたのは、まったくの偶然でした。
その際、北越雪譜を引用した文章があるなと、気づいていたのは、えへん!ちょっと賢かったかな。

Re: 小千谷

yukiさん、奥様も、そして引っ越しの手伝いに行かれたyukiさんも大変な目にあわれたのでしたね。
中越地震、まだ記憶に鮮やかです。
2004年10月に発生、最大震度7で、小千谷市や山古志村は震度6強とのこと。
新幹線の脱線もありました。

No title

小千谷縮は、昔はともかく、今では相当高いでしょうね。
超高級品のイメージです。
「雪国」は昔読みましたが、全く印象に残っておりません。
子供が読むものではなかったのか、全く読解力が無かったのか・・・・・。
昔読んだものでも、今読み直すとまた感想が変わるものでしょう。
老後に読み直しをやってみようかなと思います。

Re: No title

メイの家さん、今回再び雪国を読みましたが、これがなぜ世界からも絶賛されるのかよくわかりませんでした。
ブログに抒情的と書きましたが、それで何なの?という感じなのです。
単に、時間とお金のある初老の男が、芸者に会いたくて、わざわざ汽車で訪ねる・・・
純文学は老人には似つかわしくないかも。
プロフィール

Shige Haru

Author:Shige Haru
●小学校3年生のときの理科の宿題が「季節のたより」
●何の花が咲いた、何の鳥が鳴いていた、初カツオを、あるいはイチゴを食べた・・・と日記風に書き記した。今と違って食材にも季節が感じられた。
●そんな季節を感じられる便りを、八ヶ岳南麓の里と横浜の自宅から、お伝えしていきます(故あって、今しばらくは自宅からが主となっています)。

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