浮世絵

昨年9月、2回にわたり中山道の浮世絵をブログにした。(→9月19日、→9月23日
その浮世絵の出典は昭和12年6月刊の「木曽街道六十九次」錦樹堂版。
亡き母が結婚の際に持ってきたもの。


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日本橋から大津宿までの70枚の浮世絵が綴られている。
本物ではなく印刷もので、東京神田の大熊整美堂の発行。
売価は7円50銭だったようだ(ネット調べ)。


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起点・日本橋に、英泉画(左上の○印)とあるように作者は渓斎英泉。
英泉は美人画で知られた絵師で、安藤広重より先輩格。
赤い印で竹内、保永堂とあるのは版元・竹内孫八を示す。

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しかし、発行の途中で版元が錦樹堂に変わった(印が「竹内」「保永堂」のままなのは何か理由があるのか?)。
笠に、「伊勢利」とあるのは引き継いだ錦樹堂の伊勢屋利兵衛を示す。
ちなみに、保永堂の版ではこの笠に「竹内」と彫られていた。

P1030056.jpg

版元が変わると、摺りにも変化が出る場合がある。
長良川の鵜飼いの図だが、色調の違いもあるが背景の山の摺りが違う。
保永堂の方が手が込んでいて上等だ。
(保永堂版の出典:カラーブックス「中山道昔と今」稲垣進一)

P1030055.jpg

P1030024.jpg

ところで、英泉は24枚(宿)描いたところで手を引いた。
引き継いだのが、東海道五十三次で売れっ子になっていた安藤広重。
この32番目・洗馬宿をはじめとした抒情ある広重ワールドは評判高い。

P1030001_20160221011732ebc.jpg

34番目・贄(にえ)川宿の旅籠の軒先に札が下がっている。

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右に版元を、左に彫り師と、摺り師の名前を描いている。
(「仙女香」とあるのは→こちらを参照。

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何か面白い情報でもないかと、大熊整美堂にメールしてみたが返事はなかった。今度東京に行ったときにでも立ち寄ってみようかな。
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No title

確かに版画というものは、摺りによってこれほど違いが出るものなんですね。
写真をこういう風にならべてあると、それがよくわかります。

木曽街道六十九次は、お母さんにとってよほど思い入れの深いものだったのでしょうか。
もはや「家宝」ですね。

Re: No title

メイの家さん、摺りのテクニックでかなり印象が変わりますね。
彫り師、摺り師は名前が知られることはほとんどありませんが、絵師と組み合わさって名品が生まれるんですね。

母のお爺さんが絵が好きだったようで、そのうちの一つを単にもらいうけただけのようです。
特段珍しいものではないですが、捨てないでおきます。

凄いです

昭和12年・・・オフセットがようやく普及しはじめた時代だと思いますが、これは凸版印刷で刷られているのでしょうか。
インクも、紙の質も今ほどではなかったはずなのに、80年越しの鮮やかな色、凄い・・・
なにより、その版元まで現存ですか・・・
今回は・・・の多いコメントになってしまいました。
正直、唖然!

摺り

なるほど 摺りによって変わるんですねぇ
このまま眠らせておくのももったいないし
と言ってそのまま飾るのも考えてしまう
電子データーにしてそれを飾る
ん~ん 深まりますなぁ (^.^)

Re: 凄いです

となりのじろろさん、寅さん映画の中で、やっとオフセット印刷機を導入できたと言ってタコ社長が喜ぶシーンがあります。
それほどの機械ですから、この浮世絵は少なくともオフセットではないのでは?
発行者が浮世絵頒布会となってまして、その住所が印刷した大熊整美堂と同じなのです。
つまり大熊さんなる人物が企画から、印刷、販売まで行ったとみられます。
その背景を知りたいです。

Re: 摺り

yukiさん、浮世絵の世界も深いですね。
摺りなどは普段は注目されませんが比べると違いがあります。
海外に流出されたこともあり、保永堂版、錦樹堂版そして錦橋版、全部の摺りは揃わないそうです。

木曽街道

木曽路はやや浮世絵に近い面影が残っておりますが、主宰のお母様はなぜ木曽街道69次を結婚の際に持ってきたんでしようか。

Re: 木曽街道

青ちんさん、私は歩いていませんが、東海道と違って、木曽路には昔の面影が各所に残っていると推察できます。
母は、お爺さんからこの本を手渡されたようです。
お爺さんは絵が好きな人だったようですが、なぜ木曽街道だったのか?、特段の理由はなさそうです。

ブログ開設

http://blogs.yahoo.co.jp/wsaitou28
練習中ですのでよろしくご指導ください太字の文

Re: ブログ開設

弥さん、菊づくりのブログが開きましたが、これ弥さんのですか?
そうなら凄い。
なお、メールアドレスが変更になっているようですね。
そちらからは送信できませんでした。
なお、わたしの名前はShige Haruでお願します。
もう1通は削除させていただきましたので悪しからず。
プロフィール

Shige Haru

Author:Shige Haru
●小学校3年生のときの理科の宿題が「季節のたより」
●何の花が咲いた、何の鳥が鳴いていた、初カツオを、あるいはイチゴを食べた・・・と日記風に書き記した。今と違って食材にも季節が感じられた。
●そんな季節を感じられる便りを、八ヶ岳南麓の里と横浜の自宅から、お伝えしていきます(故あって、今しばらくは自宅からが主となっています)。

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