重要無形文化財

前回、前々回に登場の陶芸家・河井寛治郎の自宅兼仕事場は、現在、記念館となっている。(撮影:本年4月6日)
寛治郎は、柳宗悦(やなぎむねよし)らと共に、土着の手仕事の技を発掘し「民芸」として世に広めた。

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こうした民芸作品に興味があった私は、新婚旅行で大分県日田市の山中にある小鹿田(おんた)焼の窯場を訪ねた。(撮影:1975年10月)

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その3年後、自宅の庭に耐火煉瓦で楽茶碗を焼く小さな窯を造った。
灯油のバーナーで窯の温度を上げ、鋏を使って茶碗を1個ずつ入れる。
釉薬が熔けたら茶碗を引き出し、急冷する。(撮影:1981年11月)

1981年11月 (2)

その作品を展示する機会が、農の里で2009年にあった。
里の地主さんが声をかけてくれて、近在の方々9名で作品を持ち寄ったのである。(撮影:2009年8月。以下2枚とも。)

2009年8月

真ん中と右の茶碗が自分の窯で焼いた昔の作品。
(左は陶芸教室で焼いてもらった作品。大甕は地主さんの所蔵品。)


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窯を作って数年後、中井町から横浜に泣く泣く引越をした。(借りた畑には今でも通っている。)
現在、窯を形作った耐火煉瓦は自宅庭の敷石と化している。

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ところで、小鹿田を訪ねた際、土産に小さな焼き物を買い求めた。
とび鉋(かんな)という小鹿田独特の技法が施されている。
まだ生乾きの時に、鉄の薄片を弾ける様に当ててこの模様を作る。

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現在、小鹿田の窯場10軒は重要無形文化財の保持団体となっている。
陶芸の重要無形文化財は、柿右衛門なども含め12件しかないのに。
小鹿田焼なら今でも数百円で国のお宝が手に入るのは嬉しい。

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河井寛治郎は、文化勲章や重要無形文化財(人間国宝)の指定を辞退した。名利を求めない姿勢を生涯貫いたのだ。
寅さんが出会った陶芸家は寛治郎を模したものだったが、人間国宝という設定は、やはり娯楽映画だから。
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非公開コメント

武さんが陶芸に興味をお持ちとは知りませんでした。私の習志野にある実家にもLPGを火力とした大きな窯があり、98歳で亡くなった父は多くの壺、茶碗、花瓶、傘立て等陶器を作っていました。
実家は主人を亡くし、弟の息子が留守番方々住んでくれています。私をはじめ子供たちは無粋で、陶器道具、作品は眠ったままです。(父が病床についた頃、私が化学薬品の一部を処分してしまいましたが)武さんの作品は写真ではよく分かりませんが、重厚で、落ち着く印象です。いい趣味をお持ちですね。


Re: 窯

ケンさん、お父上が壺や傘立てまで作られていたとは、余程大きな窯なのですね。
作品群ともども窯が眠ったままのご様子、もったいないですねー。
火がもたらす釉薬の化学変化は無限で、楽しみが大きいです。
ケンさんも挑戦されたらいいのに。

小鹿田焼

私もどんぶり一つを持っています。鉋の文様が益子焼の島岡達三さん(人間国宝)に似ているので買いました。窯をお持ちでこんな素晴らしい作品をつくっていたとは・・・・。今も作品をつくっているのでしょうか、かなり年季がいってますね。今度ぜひ本物を拝見させてください。それにしてもかっこいい、いい男。

陶芸の紹介

定年後に趣味の一つに陶芸でも・・・はよくありますが、主宰が写真のように若い時期に・・・窯まで造るとは驚きました!赤いタートルネック??今こそ見たいですね。きっと捨ててないでしょう。

Re: 小鹿田焼

エメンさんのことですから、お持ちのどんぶりはかなりお高いのでは?
私の小鉢は一番安かったものでした。

窯は、引っ越しの際に壊し、また団地では窯を焚くことは憚られますので、今はやっていません。
可能性としてあるのは、農の里で再開できるかです。
ブログにある作品は、農の里に置いたままですが、お見せしなかったのですね。

Re: 陶芸の紹介

青ちんさん、そうなんです、昔から土いじり(陶芸や畑)にうつつを抜かしていました。
この窯とバーナーで、当時の月給が2カ月分くらい飛びました。
妻には内緒で。

赤いのは、ネッカチーフだったと思います。
妻のご命令で、したのだと思いますよ。
もちろん、今はもっていません。

お若い

寅さん懐古シリーズも佳境でしょうか。
Shige-Haruさんのお若いときの写真でしょうか。いやあお若い!ってあたりまえですね。
日田では「ひたまぶし」を食べましたが、伝統の焼き物があることは知りませんでした。すり鉢のようなデザインですが、こうやって煮物をのせると趣が高まりますね。
相変わらず奥様のお料理、美味しそうです。

No title

イケメンですね~ 
当時はモテたんでしょうねぇ いや失礼今でもモテるんでしょう
高尚な趣味をお餅なんですねぇ
作品を一点一点披露するのも宜しいかと思いますよ(^.^)

Re: お若い

となりのじろろさん、寅さん繋がりのブログが3回続きました。
実は、第1回作はあらかじめ京都行きが決まっていて、そのプロローグとして書きました。
でも、今回の第3作は突如思いついて、若かりし日の姿までさらけ出してしまいました。

さすが、全国を歩いているとなりのじろろさん、日田の名物?を食べているとは。「ひたまぶし」、あとで調べてみます。
小鉢のおかずは、自作した時のを載せたかったのですが・・・

Re: No title

yukiさん、お恥ずかしい写真です。ズボンも短くて。
陶芸は、引っ越しのため5年足らずでした。
また、なかなか良いものができなくて、作品は数点しか残っていないのです。

No title

>自宅の庭に耐火煉瓦で楽茶碗を焼く小さな窯を造った。

自宅の庭に専用の窯を自作で持っていたんですか。
それはすごい。
燃料はガスですか?

陶芸は一度やってみたいと思いつつ、今では「老後になったらやろう」となり・・・・・。

小鹿田焼は、素朴な感じがしますね。欲しくなりました。

Re: No title

メイの家さん、窯は耐火れんがを積んだ簡単なものでした。
楽茶碗は、1000度位に温度が上がった時点で、短時間で出し入れして釉薬を熔かす技法なので、そのような形の窯なのです。無理して1250度まで上げて、普通の陶器も焼きましたが、燃料の灯油がふんだんに必要でした。
そこは借家で、近所とも離れていたので、こんなことができました。

小鹿田焼は横浜高島屋の陶器売り場に少しあると思います。

素晴らしいですね

お久しぶりです。
若いころから陶芸をされていたんですね。そうでしたか、2009年に「農の里」で展覧会をされたのでしたか。

小鹿田焼の鉢においしそうな煮物が入れられていますね。今、八ヶ岳で一人暮らしをしており、こういった煮物がほしくなりましたよ。

Re: 素晴らしいですね

山栗さん、遡って農の里関連の記事を見ていただけたのですね。
いつか、再び窯焼きをしたいのですが・・・

今、自炊ですか。
おいしい煮物を作るのは、手間もかかり、味加減も難しいですね。

プロフィール

Shige Haru

Author:Shige Haru
●小学校3年生のときの理科の宿題が「季節のたより」
●何の花が咲いた、何の鳥が鳴いていた、初カツオを、あるいはイチゴを食べた・・・と日記風に書き記した。今と違って食材にも季節が感じられた。
●そんな季節を感じられる便りを、八ヶ岳南麓の里と横浜の自宅から、お伝えしていきます(故あって、今しばらくは自宅からが主となっています)。

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